こんちには、ほっけです。
世の中に様々な時計はあれど、我々が日常で目にするのは、針がぐるぐる回るアナログ時計か、数字が表示されるデジタル時計かのどちらかです。
「変な時計」とか「変わった時計」とかで検索すると、たくさんのなんじゃこりゃな時計が出てきますが、構造的にはほとんど同じものです。
アナログ時計であれば、中心から短針長針秒針が同心円で回っている。文字盤を回転させているものもありますが、やってることは変わらない。短針と長針を別々の文字盤に分離させているものもありますが、これもやってることは一緒。
デジタルだと、表示のさせかたに工夫があって、一見して時計には見えないものもありますが、数字を表示するという点ではだいたいどれも同じもの。
ここで、アナログ時計とデジタル時計の(このブログ内での)定義をしておきます。
針(場合によっては点だったり、ディスプレイ画面だったり)の位置から時間を読みとるものをアナログ時計とします。つまりApple Watchの時計画面は、アナログです。
時刻が、数字や記号などで表示され、その文字を読むことで時間を知るものをデジタル時計とします。つまり、パタパタ時計はデジタル時計に分類されます。
さて、本題です。
デジタル時計は様々な種類があります。時刻に相応する何かしらの表示をすればいい訳ですからね。
一方でアナログ時計。これは同心円運動から脱却できていません。変なポイントは、針や文字盤のデザインが変わっている、文字盤が回る、数字の書いてある筒が回転する、その程度です。いずれも同一の軸で回っている。短針と長針を別々にしたって、それぞれが同じところで回転している。
これです。問題はこれです。(問題ではないが)
せっかく回転させるものが2つもあるのに、同一軸で回していちゃあつまらない。
針の先から針を回すくらいのことをしなくちゃおもしろくない。
という訳で完成したのがこちら。
短針の先から長針が生えています。おもしろいでしょ。
動画はこちらから↓
以下、製作過程と各部詳細です。
100均で時計を買ってきて針を取って、各部を採寸します。
したらばCADでそれっぽいデータを作り(これがいちばん大変)
印刷して
組み立てて
本体を塗装したら
完成。
0時
2時
4時
6時
針の先から針がのびているので、2つが重なるのは0時ではなくて6時なんですねぇ。おもしろいですねぇ。
ちなみにこれはver.8で、ver.1から7までは設計に無理があったり、組み立ての難易度が高すぎたりしてうまく動いてくれませんでした。
一応紹介しておきます。試行錯誤の軌跡です。
ver.1
最初に設計したのがこれ。置時計をベースにしていたので全長32mmとかめちゃんこ小さい。
せっかく3Dプリンタを買ったので、部品は全部プリントしたいね、ってことでシャフトまで全て印刷しました。素材が若干膨れたり収縮したりして寸法通りには出来上がらないことを学習しました。
ver.4
ギアでの動力伝達には無理がある、とロッドを介した設計にシフトしました。まだ置時計サイズ。小さすぎて組み立てが難しく没。
ver.6
ここから壁掛け時計に変更。ロッドは一本。クランクとロッドを一体成型するも、遊びが多すぎて機能しなかったので没。
ver.8
クランクとロッドは別々に印刷し、2次硬化させる前のふにゃふにゃの状態で組み付けることを閃いたのが天才的。
光造形の3Dプリンターは、出力された直後だとまだ素材が柔らかいのです。これを乾燥させてから紫外線照射でもう一度硬化させるとカチコチに固まります。これが2次硬化と呼ばれる過程です。2次硬化後は無理な力を加えるとポキリと折れてしまうけれど、柔らかいうちなら多少変形させても壊れません。
なので、ロッドに切れ込みを入れておき、柔らかいうちにクランクを咥えさせてから、硬化させる。これで、組み立てが容易になり、かつ完成品は遊びが少なくなりました。いや賢いね。
切れ込みから軸に嵌める
遊びが少なく、正確な動力伝達ができるのだ。
2次硬化の様子
といった過程を経てようやく完成した時計です。
動画だとさらっと流しています。いちばん大変な癖に見映えのしない部分ですね。
せっかくの3Dプリンターなので持ち腐れにならないよう今後も精力的に何かしら作っていけたらなぁ、と考えております。
ではまた。