こんにちは,ほっけです.
開票速報というものがあります.8時になった途端に当確の速報が流れるやつです.
いやいやさすがに早すぎんか,と思っていたら統計の話が目に入ってきました.
曰く,統計学は味噌汁の味見をするようなものである.小皿にとれば全体の味がわかるでしょう.サンプルを抽出してそこから全体を見るのです.だから開票5%で当選確実がわかるのだ,と.
今回の選挙では開票せずとも出口調査などで結果は明らかだったのでしょうが,大きな国政選挙などではすべて開票する前から当確を出せる統計学が力を発揮するのですね.
なーるほどフムフムと感心していたのですが,なぜ5%なのだろうかという疑問が湧いてきませんか?湧いてきますよね?
統計学 5% で検索をかけてみました.
統計学では「有意水準」として0.1%,1%,5%という値がよく使われるそうです.が,が,これに含まれる5%は上記の開票率とはまったくもって無関係でした.なんなんだ.
それで統計学について調べてきたのですが,脳みそのスペックが足りず理解に及ばなかったので下手なことは言わんとこの精神で本題へ移ります.
えっとですね,まずは九分九厘という言葉についてです.
これは九割九分ではなくて九分九厘なのです.一割に満たないのですね.
しかし五分五分という言い回しもあることから,分という単位が割と同義に使用されていた可能性もあるのかもしれません.が,今回はあくまで分は1%と同等の割合を表す記号として話を進めます.
手元の国語辞典で九分九厘を引くと
「ほとんど.おおかた.九分どおり.『九分九厘勝っていた試合を落とす』」
とありました.ちなみに現代国語例解辞典という辞書を愛用しています.おすすめです.
デジタル大辞泉には次のように説明がありました.
そうなることがほぼ確実であるさま。ほとんど。九分どおり。「当選は九分九厘まちがいない」
このように九分九厘は未来に起こるであろう事柄に対しての言葉であるわけです.まあ当然ですね.しかし,きっとそうなるよね,いやまだ確定ではないけどね,まあそうなるよね,という幾分か不確定要素を含んでいる表現なのですね.自分の観測範囲でしかデータはないけれど,そこから予想する結論はある程度の確かさをもっているよね,という.
ここで冒頭の味噌汁の話がつながるわけですよ.
九分九厘≒一割 というのは,統計学の観点からすればかなり有用な値なのではないでしょうか.つまり標本の数%がわかれば全体を推測するに十分たりえる,ということを経験測から使われるようになった言い回しなのではないか.統計が学問として成立する以前から,おばあちゃんの知恵袋的な用いられかたをしてきた言葉なのではなかろうかと.
と,ここで非常に興味深い論文を見つけてしまったので,それを貼って締めとします.
そもそも5%(有意水準のほう)という数字がどこから出てきたのか,日本における割合や確率,九分九厘の語源についても触れられています.さらさらっとよめるので是非.
http://hokuga.hgu.jp/dspace/bitstream/123456789/284/1/KEIEI-5-4-4.pdf
ではまた.